肌を潤わせるためには、化粧水をたっぷり使ったら良いと考えがちですよね。
でも、それは100%正しいわけではなくて、たくさん使ったから良いというわけではないようです。
化粧水が浸透しなくてベタベタに・・・
20代の頃は化粧水の入りが悪いなんて感じたこともなかったのに、40代になって手に余るようになってきました。
顔や手がベタベタ・ベチャベチャのままで、なかなか次のステップに移れません(泣)
巷には化粧水不要論も溢れていますが、やっぱり化粧水使った方が肌の調子がいい!と思うから、使わないわけにはいかない。
いろいろと調べて試行錯誤して、化粧水というものの使い方を見直しました。
化粧水をたっぷり使っても「肌の中に浸透する感じがしない・・・」と思いはじめた人は、スキンケアを考え直すチャンスですよ!
化粧水が浸透しない原因
化粧水が浸透しない原因はいくつかありますが、ほとんどがこの3つのどれかが原因です。
1. ターンオーバーの乱れで角質が溜まっている
40代の私は、もちろんターンオーバーが乱れまくっていると容易に想像できます。
40代のターンオーバー周期は、20代の約2倍と言われています。
つまり、20代の頃に比べて、剥がれ落ちていない古い角質でツラの皮だけ厚くなっているわけ。
当然、化粧水も浸透しにくくなるわけですね。
2. 紫外線浴びすぎ・乾燥しすぎ
紫外線対策をせずに無防備に浴びてしまうと、肌は本当にカサカサになります。
これも、昔は感じなかったんですけどね~。
ガサガサになった肌には、化粧水がうまく馴染みません!
少しずつ丁寧に浸透させないと、一気には入りません!
肌を水分でほぐして柔らかくするように、数回に分けて浸透させましょう。
3. 肌に油分が残っている
ダブル洗顔しなくていいクレンジングなどを使うと、肌の表面にクレンジングのオイル分が残っていることがありませんか?
そのおかげで乾燥を防ぐのですが、普通に考えて油分があると水分は入りません。
「でも、ダブル洗顔すると乾燥がひどくなるよ~」
という気持ち、わかります!
だから、さっさと諦めて、100円玉程度の化粧水を馴染ませるだけにします。
そもそも化粧水は肌の奥まで浸透しない
加齢や肌荒れが原因で化粧水が浸透しないことがあると書きましたが、そもそも化粧水は頑張っても肌の奥深くには浸透しません。
その理由は、肌のバリア機能。
次は、化粧水が奥まで浸透しない理由と、肌のバリア機能についてです。
化粧水が浸透しない理由
肌は奥にある真皮と上の方の表皮から作られており、表皮はさらに4つのエリアに分かれています。
肌の層を上から順番に書くと以下になります。
★角層
★顆粒層
★有棘層
★基底層
化粧水が浸透するのは一番上の角層までで、それ以上奥には入っていきません。
角層というのは一番奥の基底層から細胞分裂で押し上げられた部分で、もうすぐ剥がれる部分なのです。
そして、角層の厚さは平均で約0.02ミリ、ラップ1枚程度しかありません。
顔の面積のラップ、それに水分を行き渡らせるのに、そんなに大量の化粧水が必要ではないことがわかりますね。
そして、化粧水が浸透しない最大の理由!
肌にはバリア機能が備わっているからです。
肌のバリア機能が重要
肌表面にバリア機能がないと、人間は大変なことになります。
洗剤で食器を洗うことや、お風呂に入ることもできません。
水分をはじくだけでなく、有害な成分からも身体を守ってくれているのです。
肌のバリア機能がきちんと働いていないと、さまざまな肌トラブルに発展します。
主なバリア機能は、皮脂とセラミドなどの細胞間脂質です。
皮脂
皮脂は肌表面に分泌される油のことで、一番外側に存在しているバリア機能です。
角層の水分の蒸発を防ぐ役割もあります。
セラミド
セラミドが多く存在する細胞間脂質は、角層細胞同士を接着させる役割を持っています。
細胞間脂質の約50%を占めるというセラミドには、水分保持能があります。
その働きによって水分を抱え込むため、乾燥した季節でもカラカラにならずに潤っているのです。
セラミドは人間が持つ成分ですが、加齢とともに失われていきます。
そのため、スキンケアでは、水分を保つ肌にするためにセラミドを補うことが大事です。
角質水分量は普段の状態をキープする
お肌の表面が潤っているか潤っていないかを左右しているのは、角質水分量という角質層にある水分の量です。
でも化粧水を塗れば、肌表面の潤いは上がりますし、肌を水で濡らせばしっとりしますよね?
それは一時的に潤っただけで、普段の角質水分量は決まっています!
外から水分を与えても、過剰な分は全て蒸発します!
普段の状態をキープするので、たくさん化粧水を塗っても、ずっとその潤いをキープできないのです。
大切なのは普段の角質水分量が多いこと
大切なのは化粧水をたくさん塗ることよりも、角質が持つ普段の水分量を上げることです。
それについて詳しく見てみましょう。
理想的な角質の状態とは
肌から水分が蒸発する水分量の事をTEWLと言います。
理想的な角質の状態を維持するためには、このTEWLをできるだけ少なくすることが大切です。
水分の蒸発が少ない肌とは以下のような理想的な角質の状態です。
まず肌が持つセラミドなどの成分が多いこと。
そして、角質細胞は、紫外線などでターンオーバーが早すぎると不規則に並んでしまいます。
普段から、紫外線や刺激から守る対策はきちんとしないと駄目だということですね。
普段の肌の潤いを上げるポイント
普段の肌の潤いをキープするためには、どのようなことに気を付ければ良いのかが見えてきました。
気をつけるべきポイントをまとめました。
日焼け止めを使う
先ほど紫外線が肌のターンオーバーを高め、角質細胞が乱れてしまうとありました。
細胞が未熟な状態だと、肌の構造体も弱くなってしまうと言われています。
そのため外に出るなら、”きちんと日焼け止めを使う”ということがポイントになります。
また、屋内でも、窓の近くや日射しが射し込む部屋で過ごすときは、日焼け止めやUV対策をすることをおすすめします。
保湿剤を使って蒸発する水分を保持する
蒸発する水分をできるだけ肌に保持するためには、保湿剤を使うことが大切です。
保湿剤には油系の保湿剤と、水系の保湿剤があります。
油系の保湿剤は油の膜を作って蒸発を物理的に防ぎます。
水系の保湿剤は水分子と親和性を高め、肌の水分を抱え込むことができます。
化粧水を使うなら、水分を保持できる成分が入っているものを使うことが大切です。
洗顔しすぎない
洗顔をしすぎると、セラミドや天然保湿因子(NMF)が流れ出すぎてしまうので、洗いすぎはNGです。
ただメイクが残ったままだと、外から保湿剤を塗っても邪魔になることがあります。
できるだけ肌に負担の少ないクレンジングや洗顔料を使い、一回の洗顔でしっかりと洗い流すことが大切です。
カギになるのは「セラミド」という成分
肌の防御力を担っているのは、セラミドということを説明しました。
セラミドは、肌のバリア機能を維持するのに重要な脂質のひとつです。
セラミドは大きく分けて、「脂肪酸」と「スフィンゴシン」という成分で構成されています。
2つの組み合わせが異なるセラミドが存在し、現在12種類のセラミドがあると言われています。
セラミドの役割や機能
セラミドの役割や機能は主に以下があります。
★保湿機能
★バリア機能
細胞と細胞の隙間を埋め、そこで水分を抱えていることで肌が乾燥から守られています。
肌の透明感やキメの細かさ、というのはセラミドが担っています。
また紫外線や肌の摩擦など、外部刺激から肌を守る機能も持っています。
角質細胞の細胞同士の隙間が空いていると、水分はどんどん蒸発していきます。
セラミドはできるだけ隙間をなくし、刺激が肌の奥に侵入することを防いでいます。
セラミドが不足するとどうなる?
肌にあるセラミドが不足するとどうなるのでしょう?
起こりやすい肌トラブルをまとめてみました。
セラミドが不足すると水分を保持できなくなり、肌が乾燥しツッパリ感を感じます。
ひどくなると肌が白い粉をふいたようになったり、ゴワゴワと硬くなってしまいます。
また外部刺激からの防御力が低下するので、少しの刺激が炎症を起こしたり、かゆみの原因になることもあります。
外部刺激の影響を受けていると、肌のキメが乱れて小じわやシミなどを作る原因にもなるのです。
スキンケアでセラミドを補い、普段のお肌の潤いを保つことはとても大切なことだと分かりますね。
化粧水が浸透しない原因まとめ
化粧水が浸透しない原因には、そもそも化粧水が肌の奥まで入らないという理由がありました。
普段の角質水分量が決まっているからですが、この角質水分量が多いことが、本当の意味で肌が潤っているということになります。
角質にある水分を逃がさないようにしているのは、セラミドを含む細胞間脂質です。
乾燥が気になるのであれば、化粧水の量を増やすよりも、セラミドを補って肌を守ることが鍵になるのですね。
肌のセラミドが少ないと肌の乾燥だけでなく、小じわやシミができやすくなると言われています。
セラミドは人間が持っている成分ですが、加齢や過度の洗顔などで流出していきます。
スキンケアでセラミドを補って、早めの対処を行いましょう。